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2011年07月19日(火)

■『養老保険の全額損金プランにシバリ』

 養老保険の全額損金プランに事実上のシバリが入った。これは、平成23年度税制改正で、一時所得として受け取った生命保険契約に基づく一時金の税務として、「給与課税されていない会社負担分の保険料は必要経費に含めない」とする扱いが明確化されたことによるもの。

 全額損金プランとは、会社を契約者および死亡保険金受取人、役員や従業員を被保険者および満期保険金受取人とする養老保険契約のこと。この場合、会社が負担した保険料のうち死亡保険金に対応する部分は支払保険料として損金扱い。満期保険金に対応する部分は被保険者への給与としてやはり損金扱いとなる。

 また満期保険金は受取人の一時所得扱いとなるため、法人税だけでなく所得税の観点からも税負担を軽減できるスグレモノとして一時期脚光を浴びた。今回の改正によって、保険料の半分が一時所得の必要経費にできなくなったことで全額損金プランの旨味は半減してしまったことになるが、気になるのは改正法の適用期日だ。

 税制改正大綱をみると、「平成23年4月1日以後に支払われる一時金から」とされているが、実際に税制改正法案が可決成立したのは6月22日。そして、官報で取扱いが公布されたのが6月30日で、「公布の日以後に支払われるべき生命保険契約等に基づく一時金等について適用する」とされている。

 6月29日以前に支払われた一時金の取扱いが気になるが、これについては「一時所得の必要経費に給与課税されていない保険料も含まれるか否か」をめぐって現在係争中の裁判の結果に影響を受けるものとみられている。

 「会社負担分の保険料は必要経費に含めない」と主張する国が勝訴すれば、新法適用前の取扱いも変わらないことになるが、納税者が勝訴した場合には会社負担分も含めた保険料の全額が必要経費にできる可能性が出てくる。現在、同様の事件が2件争われており、高裁で判断が分かれていずれも上告中。最高裁の判断に注目が集まる。

■『雇用促進税制の「計画」受付は8月1日から』

 公共職業安定所では、雇用促進税制の適用を受けるために必要な手続きである「雇用促進計画」提出の受付を、この8月1日から開始する。

 雇用促進税制は、企業が、前事業年度(前年)に比べ10%以上かつ5人以上(中小企業は2人以上)従業員を増加した場合には、事業主都合による解雇者がいないことを要件に、増加した従業員数に20万円を乗じた金額を、一定額を限度に税額控除できる制度で、平成23年度税制改正で創設された。

適用は、法人が平成23年4月1日~26年3月31日までの間に開始する事業年度、個人が平成24年~26年。

 制度の適用を受けるには、法人企業の場合、1)事業年度開始後2ヵ月以内に目標の雇用増加数等を記載した雇用促進計画を公共職業安定所に提出をして、2)事業年度終了後2ヵ月以内に公共職業安定所より雇用促進計画達成状況の確認を受け、3)その際交付される達成状況を確認した旨を記載した書類の写しを確定申告書に添付することが要件となる。

 公共職業安定所への雇用促進計画提出が最初の手続きとなるわけだが、その提出期限は事業年度開始後2ヵ月以内となっているものの、23年度税制改正法の施行は6月30日であることから、このままでは4月開始事業年度の法人企業の場合は提出期限までの提出が不可能となっていた。計画の受付開始が8月1日となったことから、経過措置が設けられることがわかった。

 厚生労働省では、雇用促進計画に係る様式や手続き方法とともに提出期限の経過措置の内容を7月下旬に同省のホームページに掲載する予定。