トップページ  >  会計 >  Weekly CMC News >  Weekly CMC News バックナンバー一覧 >  バックナンバー

バックナンバー

2011年03月15日(火)

■『税制改正のつなぎ法案で日切れ対応へ』

 平成23年度税制改正法案の年度内成立が絶望的であることから、年度末で日切れを迎える租税特別措置のうち、国民生活に影響のある改正部分を延長するためのいわゆる「つなぎ法案」を本体の法案とは別に年度内に成立させることで、当面の混乱回避に対応せざるを得ない状況になってきた。

 日切れにより、中小企業に影響が出てくるのが、法人税の軽減税率の特例。法人税法では中小企業に対して年800万円以下の所得金額部分の税率を22%に軽減する規定を設けているが、さらに租税特別措置法により税率を18%とする特例を設け、本年3月31日までの間に終了する事業年度に適用している。

年度内に成立しないと18%特例税率が失効し、法人税法本則の22%に戻ることになる。

 不動産取引関係も影響が大きい。登録免許税では住宅用家屋の所有権の保存登記・移転登記の税率の軽減と住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減が、また、印紙税では不動産の譲渡に関する契約書と請負に関する契約書(一定の建設工事の請負に限る)のうち記載金額が1千万円超の契約書の印紙税額を軽減する措置が3月31日で失効する。

 参院で野党が多数を占める状況は、自民党が与党時代の20年、21年と同様。

20年は、つなぎ法案を成立させるとともに、参院で60日以内に議決しないときには否決されたものとみなす60日ルールを使って衆院で4月30日に本体の法案を再可決し成立。

21年は、参院で否決されたため衆院で再可決し年度内に成立させた。

 しかし、今国会では、つなぎ法案により当面は乗り切れても、衆院で与党が3分の2を確保できず再可決ができないため、その後の本体法案成立の見通しが立っていない。

■『被災地域の申告等期限を延長、所得税22年分から減免』

 3月11日、国内観測史上最大のマグニチュード9.0の東日本巨大地震が発生し、大きな被害が広がっているが、国税庁は12日、今回の地震が所得税・贈与税の申告・納付期限(3月15日)が差し迫っているなかで発生したことにかんがみ、当面の対応として、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の納税者に対して、国税に関する申告・納付等の期限を延長する、と発表した。

対象地域については、今後被災の状況を踏まえ見直していく。  5県の納税者については、東日本巨大地震が起きた3月11日以後に到来する申告等の期限が、すべての税目について、自動的に延長されることになる。他の地域の納税者についても、交通途絶などで申告等が困難な場合は、所轄税務署長に申し出れば、申告等の期限延長が認められる。申告等の期限をいつまで延長するかについては、今後、被害の状況に十分配慮して検討していく方針だ。

 一方、財務省も12日、今回の地震での被災者の税負担を軽減するため、住宅家財等の損失に係る雑損控除及び災害減免法による減免を、平成22年分所得で適用できるようにする、と発表した。また、事業用資産の損失についても22年分の事業所得の計算上、必要経費に算入することができるようにする。

 災害により、住宅や家財などに損害を受けたときは、
1)確定申告で所得税法に定める雑損控除、
2)災害減免法に定める税金の軽減免除、のどちらか有利な方法を選ぶことで所得税を軽減できる。

現行法では、その適用は損失が起きた年(22年)が対象で、減税や還付は本来、来年以降となる。

しかし、財務省は、早く税軽減を受けられるように22年分の確定申告でも認めることを決めた。22年分か23年分かは被災者が選択できる。

 なお、災害により被害を受けた事業者が、その被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、または適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、災害等の生じた日の課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、または適用をやめることができる。

 これは、災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用される。