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2011年02月22日(火)

■『グループ法人税制の間違いやすい点が明確に』

 平成22年度税制改正で導入されて以来、「複雑で難しい」との声が絶えないグループ法人税制だが、国税庁はこのほど、特例の細かい取扱いや趣旨を明確に示した。

 グループ法人税制では、100%グループ内の取引について、含み損益への課税を繰り延べるなど円滑に資産移転ができるようにするための様々な課税上の特例措置が設けられている。

その特例措置のなかに、内国法人が完全支配関係にある別の内国法人に対して寄附金を支出した場合、支出法人側では全額が損金不算入、受け手法人側では益金不算入という取扱いがある。

適用は「法人による完全支配関係」に限られており、「個人による完全支配関係」は除外されているが、今回その趣旨が明らかにされた。

 たとえば、A法人(発行株式の100%をaが保有)らB法人(発行株式の100%をaの子であるbが保有)への寄附があった場合、A法人において損金不算入、B法人において益金不算入とすると、実質的には親(a)から子(b)への経済的価値の移転が無税で行われることになり、相続税や贈与税の回避に利用されてしまう可能性がある。このため、同制度の適用は「法人による完全支配関係」に限定されたということだ。

 また、間違いやすいパターンとして、C法人からD法人に寄附金を支出したケースで、いずれもX法人の完全支配下にあり、さらにそのX法人を個人が完全支配しているケースがある。この場合、上記の寄附金特例は適用できないと考えてしまいがちだが、これは間違い。

 このケースでX法人を完全支配している個人が親子であったとしても、X法人に資産移転があるわけではなく、また、親子の間でも経済的価値があるわけではないため、相続税や贈与税の回避に利用されるとは考えられない。

このため、こうしたケースでは寄付金の全額が損金不算入扱いとなることを法人税基本通達9-4-2の5の中で明らかにしている。

■『養老保険節税封じは23年4月1日以後の支払いから適用』

 平成23年度税制改正では、養老保険を利用して法人から法人役員に資金を移転する租税回避策にストップをかける見直しが行われるが、この見直しは契約時ではなく支払時に適用されるので、契約時の思惑が外れる者も大勢出てきそうだ。

 租税回避策は、法人役員を被保険者、法人を契約者として、役員が生存していた場合は役員が満期保険金を受け取る内容の短期の養老保険契約をしたうえで、役員と法人が保険料を2分の1ずつ支払い、法人は負担する保険料分を損金算入(給与課税なし)し、役員が満期保険金の支払いを受けた場合は、一時所得の計算上、役員の負担した保険料のみならず法人が負担した保険料も満期保険金から控除すべき保険料として申告、多額の税負担を免れているというもの。

 課税の公平性から言えば、支払いを受けた満期保険金から控除できるのは役員本人が負担した保険料だけと思われるが、関係する法律・政令では明確に規定されておらず、逆に通達では、控除される保険料には本人以外が負担した保険料も含まれると明記されていることから、控除を巡り争われた過去の裁判でも、納税者側の勝訴となっていた。

 見直しは、支払を受けた生命保険契約等に基づく一時金から控除することができる事業主負担の保険料は、給与所得に係る収入金額に算入された金額に限るとするもので、法令上明確化し、平成23年4月1日以後に支払われる一時金から適用されることになる。