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2010年09月14日(火)

■『給与所得控除の適用上限が収入2000万円で調整進む』

2011年度税制改正作業は、昨年より1ヵ月早くスタートしたが、民主党の代表選のあおりを受け、実質昨年と同ペースになるもよう。

現職の菅首相と小沢元幹事長の政策の違いから、実質審議は事実上ストップしている。

そんな中で、日本税理士会連合会(池田隼人啓会長)はじめ中小企業団体が注目しているのが、2010年度改正で廃止された「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度」に代わる給与所得控除を含めた所得税のあり方についてだが、給与所得控除の適用上限を一定額で打ち切る方向で調整が進んでいるもようで、現状2000万円というのが有力ラインとなっている。

 日税連でも、経済産業省での税制改正ヒヤリングにおいて、「一定額以上の高額な給与収入については、給与所得控除額に限度額を定めるべきである。

給与所得者に対する課税については、年末調整と確定申告との選択制とすべきである。特定支出控除を拡充し、給与所得者が確定申告を行う機会を増やすべきである」と給与所得控除の限度額設定を要望した。

 現在の給与所得控除額は上限なく比例的に認められている。

しかし、一定額以上の高額な給与収入の場合、限界的に増加した部分の収入について経費が比例的に増加するとは必ずしも言えず、実態を反映しているとは考えられない。給与所得者は自ら申告を行う機会が少ないため、給与所得控除の存在や所得計算の構造を知らず、納税者としての意識が必ずしも高くない。

 また、給与所得控除額に限度額を設けることにより、給与所得控除の金額がより実態に即した内容となる。

給与所得者が年末調整と確定申告を選択できるような環境を整備することにより、勤務給与所得者の納税者意識の向上に資することができ、個人のプライバシー保護を図ることにもつながる。

 一方、政府税制調査会においても、特定支出控除の拡充の方向を検討しており、各業界に「給与所得者の必要経費にはどのようなものがあるのか、挙げて欲しい」と呼びかけている。 給与所得控除の上限設定と特定支出控除の拡大の2点が、2011年度改正の注目点といえよう。


■『たばこ税引上げの影響、7~9月期個人消費は前期比+0.2%』

来月10月1日からたばこ税が引き上げられる。

1本あたり3.5円のたばこ税増税の転嫁と、需要数量減少に対応した価格引上げにより、たばこ価格は1箱あたり100円を超える値上げとなる。

日本総研はこのほど、こうしたたばこ値上げに伴う物価、個人消費への影響を整理し、発表した。

 それによると、物価への影響は、たばこ価格は一般的な銘柄で4割前後上昇する予定だが、たばこが消費者物価(生鮮除く総合)を構成する支出構成バスケットに占める割合が0.7%であることから、消費者物価全体を+0.3%押し上げると見込んでいる。

 一方、個人消費への影響をみると、前回2006年、前々回2003年の値上げ局面では、値上げ直前月に通常月の半月分程度の駆け込み需要、値上げ月にその反動減があった。

また小売業の平均的な在庫が月商1月分弱であること、たばこメーカーの増産を勘案すると、今年7~9月期のGDPベースの個人消費は、9月の駆け込み需要により前期比+0.2~+0.6%ポイント押し下げられる。

 一方、10~12月期の反動減により、同▲0.3~▲0.7%ポイント下押しされるとみている。さらに、値上げは、一時的な反動減のみならず、節煙志向の高まりや喫煙者の減少による需要水準の低下も招く。前2回の引上げ時にも、2割程度たばこ消費量が減少した。

財務省の税収見通しも、需要数量減少効果が税率引上げ効果を上回り、たばこ税は減収の見通しだ。値上げ幅が前2回の5~10倍程度となることから、減少幅がさらに拡大される可能性も大きい。

 もっとも、個人消費全体に与える影響は限定的となる。家計の「こづかい」的予算のなかでたばこ支出が減る分、他の嗜好品支出が増えるからだ。具体的には、禁煙関連商品、飲料などが商機拡大の可能性があるとみている。

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