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2010年08月10日(火)

■『納税猶予適用後に中小企業者でなくなった場合は』

中小企業の後継者が、先代経営者である親族から、贈与により、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を全部または一定数以上取得して、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき贈与税のうち、その株式等に対応する贈与税の納税を猶予されるのが贈与税の納税猶予制度。

しかし、認定期間中に中小企業者に該当しなくなったときは、適用中の納税猶予の取扱いはどうなるのだろうか。

  結論を言えば、納税猶予の適用後、増資や雇用の拡大等に伴い中小企業者の定義に該当しなくなった場合でも、大臣認定の取消事由には該当せず、また適用中の納税猶予に係る期限の確定事由にも該当しない。この取扱いは、5年間の経営贈与承継期間(経営承継期間)内であっても、その期間の末日以降でも同様だ。

ただ、贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予へ切り替わるときは、相続開始時に中小企業者に該当することが求められる。

 また、経営贈与承継期間内に株式の上場等によりその発行する株式が非上場株式に該当しなくなった場合には、経済産業大臣の認定の取消事由に該当し、また適用中の納税猶予に係る期限の確定事由にも該当することになる。

一方、5年間の経営贈与承継期間の末日の翌日以降においては、これらは経済産業大臣の認定の取消事由には該当せず、適用中の納税猶予に係る期限の確定事由にも該当しない。

 ただし、株式の上場に際しては通常、大株主は一定の株式を市場へ譲渡することとなるため、譲渡した株式数の納税猶予対象株式数に対する割合に応じた納税猶予税額の納付を行わなければならなくなる。

この免除されるときまでに特例の適用を受けた非上場株式等を譲渡するなど一定の場合には、猶予されている税額の全部または一部を利子税と併せて納付する必要が生じることになる。


■『中小企業の実態に合った「新たな会計処理」で中間報告書案』

中小企業の実態に合った会計のあり方を検討している中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」は7月29日、中間報告書案をまとめた。

 中小企業の場合、会計情報の開示が求められる範囲は取引先、金融機関、同族株主、税務当局等に限定されていることに加え、経理担当者の会計に対する知識や人員体制が十分ではないという実態がある。

このため、資本市場を通じて外部の投資家から資金調達を行う大企業とは、要求される会計処理が大きく異なっている。

 現在、中小企業を対象にした会計基準として「中小企業の会計指針」(中小指針)があるが、一般的な中小企業にとっては、この中小指針にしても高度かつ複雑で、経営者には理解しにくいとの指摘があった。

これを踏まえ、中間報告書案では、中小企業団体、金融機関、小規模零細企業、公認会計士や税理士などが参加し、新たな会計処理を取りまとめるべきであるとした。取りまとめにあたっての基本方針は以下のとおり。

1) 中小企業が会計実務の中で慣習として行っている会計処理(法人税法・企業会計原則に基づくものを含む)のうち、会社法の「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」と言えるものを整理する。 
2) 企業の実態に応じた会計処理を選択できる幅のあるもの(企業会計基準や中小指針の適用も当然に認められるもの)とする。
3) 中小企業の経営者が理解できるよう、できる限り専門用語や難解な書きぶりを避け、簡潔かつ平易で分かりやすく書かれたものとする。
4) 記帳についても、重要な構成要素として取り入れたものとする。