トップページ  >  会計 >  Weekly CMC News >  Weekly CMC News バックナンバー一覧 >  バックナンバー

バックナンバー

2010年06月29日(火)

■『税務訴訟で納税者勝訴割合は前年度の半分に』

 国税庁・国税不服審判所はこのほど、平成21年度における不服申立て及び訴訟の概要をまとめたが、訴訟において納税者の主張が認められた割合が前年に比べ5.7ポイントも大幅に減少したことが明らかになった。
 昨年4月から今年3月までの1年間に税務署への異議申立て件数は、徴収関係が13.5%増えたものの課税関係が相続税・贈与税事案のみ増加でその他が軒並み減少したことから、前年より10.5%少ない4795件だった。
処理件数は、取下げ等891件、却下806件、棄却2709件、一部敗訴525件、全部敗訴66件の合計4997件で、一部でも納税者の主張が認められた件数は591件(救済割合11.8%)。
 税務署の処分を不服として国税不服審判所へ行われた審査請求の状況は、発生件数が申告所得税、相続税・贈与税に係る事案が減少したものの、法人税等、消費税等及び徴収関係に係る事案が増加したことから前年に比べ14.8%多い3254件。
処理件数は、取下げ285件、却下304件、棄却1620件、一部取消241件、全部取消143件の2593件となっており、納税者の主張が何らかの形で認められたのは384件(同14.8%)で3年連続の増加。
 審査請求を不服として訴訟となったものをみると、発生件数は前年に比べ所得税、審判所関係に係る事件が増加したものの、法人税、相続税・贈与税、消費税、徴収関係に係る事件が減少したことから4.5%の減少となる339件で終結件数は320件だった。
320件の終結態様は、取下げ等38件、却下14件、棄却252件、一部敗訴8件、全部敗訴8件で、何らかの形で納税者の主張が認められたものが16件(敗訴割合5.0%)で敗訴割合は前年より5.7ポイントも低下し、あくまで結果論だが納税者には厳しい結果となっている。

■『グループ法人税制 中小企業特例の制限範囲は?』

 平成22年度税制改正で導入されたグループ法人税制は、適用関係についての注意点が盛りだくさんだ。
 グループ法人税制とは、 1)100%支配関係にある法人を一つのグループと捉え、同法人間で資産の移転を行った場合にはその譲渡取引による損益をグループ外へ移転する時まで繰り延べる、
2)平成22年4月1日以後に開始する事業年度から資本金5億円以上の大法人の100%子会社・孫会社等については中小企業特例の適用を認めない――という制度。
 2)でいうところの中小企業特例とは、「軽減税率」、「特定同族会社の特別税率(留保金課税)の不適用」、「貸倒引当金の法定繰入率」、「交際費等の損金不算入制度における定額控除制度」、「欠損金の繰戻し還付制度」など。資本金5億円以上の大法人の100%子会社・孫会社については、平成22年4月1日以後開始の事業年度からこれらの特例の適用が認められない。
 ここで注意しておきたいのが、100%支配関係の判定時期だ。 完全支配関係の有無は、各事業年度末で判定する。例えば、平成22年4月1日に開始した事業年度の場合は、平成23年3月31日時点で完全支配関係があるかどうかで判定する。
 ただし、平成22年10月1日以後の取引から適用開始となる「譲渡損益調整資産の課税繰延べ制度」については、譲渡時の完全支配関係で判定。同じ中小企業特例でもここだけ判定時期が異なるので注意が必要だ。
 また、中小企業等投資促進税制などの特別償却・税額控除や、30万円未満の少額減価償却資産の特例は、資本金1億円以下の法人のうち、資本金1億円超の大法人に発行済株式総数の1/2以上を所有されていない、または資本金1億円超の2以上の大規模法人に発行済株式総数の2/3以上を所有されていない「中小企業者」が対象となる。
 つまり親法人の所有割合のみで判定することとされているが、グループ法人税制の中小企業特例制限では、資本金5億円以上の親法人と100%支配関係のある全ての法人が制限対象となるので、対象範囲はかなり広いということ。
グループ法人税制の適用を視野に入れているなら、こうした制限規定の詳細な取扱いについてもしっかり抑えておく必要がある。