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2010年06月15日(火)

■『経営セーフティ共済の改正~実施時期に注意を!』

 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)は、共済契約者が拠出する掛金を原資に取引先が倒産した際に、積み立てた掛金総額の10倍を限度に共済金を無利子・無担保・無保証人で迅速に貸付け、連鎖倒産を防止する制度。

今通常国会で「中小企業倒産防止共済法の一部改正」が成立、4月21日に公布された。

共済事由の拡大とともに、共済金の貸付限度額が引き上げられるが、その実施時期には注意が必要だ。

 まず、これまで共済金の貸付けを受けられる取引先事業者の「倒産」は法的整理と取引停止処分のみだったが、今回の改正で取引先事業者が「私的整理」を行う場合も「倒産」として共済金の貸付けを受けられることとなった。

この場合、弁護士等(一部司法書士を含む)からの「支払停止通知」があったものが対象となるが、このほどその施行日が2010年7月1日と定められた。同日以降の「私的整理」から貸付けの対象となる。

 また、共済事由の拡大以外に、次のように貸付限度額などの拡大も行われる。
(1)共済金の貸付限度額:3200万円→8000万円、
(2)掛金の積立限度額:320万円→800万円、
(3)掛金月額上限:8万円→20万円、 (4)償還期間の上限:5年→10年(貸付額に応じて設定)、
(5)早期償還手当金の創設、
(6)申込金の廃止。これらの改正の実施時期等は、2011年10月までに順次政令及び経済産業省令等定められるため、注視しておく必要がある。


 これらの掛金は、法人は損金に、個人事業者は必要経費に算入できる。法人が掛金を損金として算入するには、『特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書』に必要事項を記入し、確定申告書に添付しなければならない。

明細書は、税務署で受け取れる。

個人事業主の場合は、任意の用紙に『中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書』を作成し、確定申告書に添付すればよい。

 改正事項の詳細は中小機構ホームページ→http://www.smrj.go.jp/tkyosai/announce/revision/053430.html

■『IFRSとのコンバージェンスが暗礁に?』

 国際会計基準(IFRS)と日本基準の共通化(コンバージェンス)を進めている企業会計基準委員会(ASBJ)の審議が暗礁に乗り上げている。

ASBJでは現在、収益認識や財務諸表(包括利益等)の表示、公正価値測定などの基準を開発中。ここで包括利益の表示を巡っては、上場会社の個別財務諸表のあり方が争点に。

従来どおり連結財務諸表と同一の基準を適用、あるいは、(金融庁が謳う)連結財務諸表に係る会計基準から先行して改訂(「連結先行」)、のいずれも懸念があるとされ、意見がまとまらないからだ。

 そこで、当局の金融庁が企業会計審議会の場で意見集約を図ることにし、6月8日、総会を開催するに至った。テーマは、「単体の会計基準のあり方(コンバージェンス)について」。

 現状報告に立ったASBJは、
1)包括利益の表示、
2)開発費の資産計上、
3)のれんの償却、
4)OCI(その他包括利益)のノンリサイクル(損益計算書への振替をしない)処理、
5)収益認識、
6)負債と資本の区分、の6つのケースについて、「連結と個別に同一基準を適用した場合」と「連結先行した場合」それぞれの懸念を紹介した。

 このうち1)は、前者で「包括利益とOCIの意義が周知されないと、重要な業績指標であるとの誤解を与えかねない」、「会社法上の損益計算書との関係整理が必要」などが、一方、後者で「財務諸表の有用性の観点からは、連・単で異なる表示をする理由がない」、「個別のみを開示している会社の包括利益は開示されず、開示と非開示の会社が混在し、投資実務に混乱を招く」などが指摘された。

 なお、この日は、三菱電機やJFEホールディングス、三井住友銀行ら産業界が参考人として陳述。

主に、メーカーサイドは連単分離、金融サイドは連単同一の必要性を唱えた。

 金融庁は今後、6月末と7月中旬に審議会総会を開催する予定。その結論いかんでは、非上場会社の会計基準作成にも影響を及ぼしかねないことから、要注目だ。