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2010年06月08日(火)

■『事業承継税制の先代復帰要件が明確化』

 平成21年度税制改正で誕生した贈与税の納税猶予の特例。 贈与税の負担が事業承継の障害になるのを回避するために導入されたもので、後継者が先代から会社(非上場)の株式等を全部または一定数以上取得して、その会社の経営を担っていくなら、その株式等(上限あり)にかかる贈与税の納税が猶予されるというものだ。

 同特例を適用するには、会社の後継者、先代経営者それぞれに要件がある。

後継者は、

1)会社の代表者、2)先代経営者(贈与者)の親族、3)20歳以上、4)役員等に就任して3年以上、5)後継者および後継者と同族関係にある者で総議決権数の過半数を保有し、かつ筆頭株主であること――が主な要件。

 一方、先代経営者は、1)会社の代表者であった、2)贈与時までに役員を退任、3)贈与直前、贈与者および贈与者と同族関係にある者で総議決件数の過半数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの中で筆頭株主だったこと――が主な要件。

 いつまでも先代が居座っていては事業承継が進んだとはいえないものの、後継者がまだ未熟である場合、先代経営者の「役員退任要件」はやや厳しく感じられる。そこで同制度では、先代経営者が贈与後に役員復帰した場合でも、会社から給与を受けないのであれば、要件に抵触したことにはならず、納税猶予が続くこととされている。

 ただし、平成22年度税制改正では、先代の役員復帰の場合に受けてはならない「給与」に「債務の免除による利益その他の経済的利益」が追加された。 会社によっては給与以外の名目で支出しているところもあるが、今回の改正によって「無償での復帰」という条件が徹底されたことになる。

■『金融庁、22年3月期・有価証券報告書の作成・提出で注意喚起』

 金融庁は5月25日、「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成22年3月期版)」を公表した。今回は、コーポレート・ガバナンスの開示の充実や金融商品など会計基準の改正・新設に伴う開示府令・連結財規等の改正を踏まえ、次の9項目の記載に注意を促している。 1) 上場会社のコーポレート・ガバナンスに関する開示の充実

2) 有価証券報告書の定時総会前提出

3) 信託等を利用した従業員持株制度(日本版ESOP)の開示

4) 「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」の公表を踏まえた連結財務諸表規則の改正

5) 「金融商品に関する会計基準」の改正等に伴う財務諸表等規則等の改正

6) 「工事契約に関する会計基準」等の公表に伴う財務諸表等規則等の改正

7) 「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」等の公表に伴う財務諸表等規則等の改正

8) 継続企業の前提に関する注記等

9) その他

 このうち、1)については、3月31日に改正された開示府令を受けて、ア.コーポレート・ガバナンスの体制、イ.役員報酬、ウ.株式保有の状況などが新たな記載項目とされている。特にイ.は、個別開示が求められており、連結報酬等の総額が1億円以上の役員に限ることもできるといった規定から、経済界からの反発も強い。

 詳細は→を参照のこと。http://www.fsa.go.jp/policy/m_con/20100521-1.html