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2010年06月01日(火)

■『消費税率引上げと経済効果を分析~財制審』

 5月18日に財務省で開かれた財政制度審議会の財政制度分科会において、井堀利宏委員(東京大学教授)が、「財政健全化・消費税とマクロ経済活動」と題した資料が提出された。これは、消費税の税率引上げと経済への影響、増税のタイミング等を分析したもので、4つのケースに分けた増税の経済効果を示している。

 「ケース1」は、増税+無駄な歳出を増加させた場合で、負担の増加のみで民間消費、投資が抑制されるという最悪のケースとなる。

「ケース2」は、増税+有益な歳出増で、負担の増加と歳出のメリットが相殺されるが、歳出が将来の生産増につながれば、成長にプラス(供給面)に働き、 貯蓄性向よりも歳出での投資性向が上回るとしている。

 一方、「ケース3」は、増税+減税(あるいは移転支出)を採用した場合、

1)所得効果:再分配効果(マクロの限界消費性向が増加→需要の増加:マクロの限界貯蓄性向が増加→供給の増加)、2)代替効果:税制改革で相対価格が変更され、労働意欲刺激効果、投資意欲刺激効果がある。「ケース4」は、増税+財政赤字の削減で、現在の負担増で民間需要は抑制→「貯蓄過剰」といわれる我が国で、民間消費の抑制はどの程度起こるかが課題という。

 消費税と経済成長の観点からみた場合、標準的なシミュレーション分析では、消費税は所得税と比較して成長にプラスになるとしている。

また課税のタイミング効果(消費税で貯蓄が増加、消費は減少しない)もある。今後の消費税率引上げについては、税収中立では無理、ネット増税(一部は財政赤字の縮減に)が必要で、将来の増税を回避できるプラスの効果を家計がどこまで評価するかにかかっている、としている。

 同資料の詳細は→http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaiseia/zaiseia220518/01.pdf

■『住宅取得等資金非課税制度で1918億円の贈与が非課税に』

 国税庁より公表された平成21年分の贈与税の確定申告状況によると、平成22年3月末までの申告書提出者33万5千人(対前年比2.4%増)で、暦年課税を適用した申告人員は28万9千人(同5.9%増)、相続時精算課税制度を適用した申告人員は6万6千人(同10.4%減)となっており、相続時精算課税制度適用者数は制度開始の平成15年以降最低の水準だった。

 このうち申告納税額がある人は、それぞれ22万5千人(同2.9%減)、4千人(同2.3%減)、これに係る申告納税額は816億円(同2.9%減)、219億円(同19.0%増)となっている。

 また、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属から、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築若しくは取得または増改築等の対価に充てるための金銭の贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときは、住宅取得等資金のうち500万円までの金額について贈与税が非課税となる「住宅取得等資金の非課税制度」を適用して申告を行った者は4万1千人、贈与を受けた住宅取得等資金は3687億円におよび、このうち1918億円分が非課税の適用を受けている。

 一方、非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の適用による納税猶予税額は32億6500万円となっている。