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2010年02月16日(火)

■『グループ法人税制の個人の範囲には要注意』

 平成22年度税制改正で導入される予定のグループ法人税制は、大企業だけが関連するものと考えがちだが、中小企業や個人企業にも影響があるので留意したい。

グループ法人税制は、100%グループ内の法人には強制的に適用される制度であり、内国法人の100%子会社だけでなく、個人株主が支配する100%子会社にも適用される。そこで注意が必要なのは、個人株主の範囲がどこまで及ぶのかということである。

 個人株主の場合、親族である個人Aと個人Bがそれぞれ出資してC法人、D法人を設立するといったケースで、例えば個人AがC法人に70%、D法人に60%出資し、個人BがC法人に30%、D法人に40%出資したときは、個人A、Bが法人C、法人Dに合計100%の出資をしていることから、C法人とD法人が「100%グループ内法人」となり、グループ法人税制が適用される。

 支配関係の判定上の個人の範囲は、組織再編税制と同様に法人税法で規定する「同族関係者」と同様となるようだ。 すなわち、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が含まれる。

例えば、父とその子2人(兄と弟)がそれぞれ100%株式を保有している法人があるとすれば、これらの3法人それぞれが直接的な資本関係がない場合でも、法人税法上は一つのグループとしてグループ法人税制が適用されることになる。

 したがって、これらの法人間で資産の譲渡を行った場合は、グループ法人税制における譲渡取引の損益繰延べなどの対象となるわけだ。 これまでは、資産の譲渡先が6親等内の血族などが支配する法人かどうかはあまり考えずに行ってきたと思われるが、グループ法人税制が適用される予定の今年10月1日以後に何らかの資産を譲渡した場合には、その譲渡先が税務上の同族関係者に該当するかどうかを確認する必要がある。

■『経産省、「中小企業の会計に関する研究会」を設置』

 経済産業省は12日、「中小企業の会計に関する研究会」を設置することを発表した。 同研究会では、会計の国際化の流れや中小企業の会計の現状を踏まえた今後の中小企業の会計の在り方について検討を進める。第1回の研究会を本日15日に開催する。

 経済のグローバル化が進展するなか、国際的な財務諸表の比較可能性の向上や資金調達のため、今日、世界各国の会計基準が国際財務報告基準(IFRS)への収斂(コンバージェンス)または、IFRSを適用(アドプション)しているところだ。日本においても、会計基準の国際化を巡る議論は、上場企業の連結財務諸表について2010年3月期からIFRSの任意適用、2012年における強制適用の最終判断、2015年もしくは2016年の強制適用開始を控え、その対応や個別財務諸表のあり方について活発な議論が行われている。

 上場企業においては連結財務諸表にIFRSを適用し、国際比較可能な情報開示を行う必要性は認められる一方で、非上場企業、特にその大半を占める中小企業においては、情報開示先が取引先、金融機関、税務署など限定的であり、さらに、経理担当者の会計基準に対する知識や人員体制が必ずしも十分でないという実態がある。

 また、現在の「中小企業会計指針」は、そのユーザーサイドを中心として、高度、複雑で中小企業の商慣行の実態に必ずしも沿わない部分もあるとの指摘もあり、その検証を行うとともに、中小企業にとって、金融機関等の債権者が納得でき、税務とも親和性の高い、より使いやすい会計のあり方を検討するべきとの意見もある。

 こうした状況のなか、会計の国際化の流れや中小企業の会計の現状を踏まえた今後の中小企業の会計の在り方について検討を進めることとし、以上のような問題意識のもと、中小企業庁に研究会「中小企業の会計に関する研究会」を設置することにしたわけだ。

 同研究会は今後、上記の設置趣旨に則り、

1)中小企業における会計の実態と会計基準の国際化、
2)会社法会計、金融商品取引法会計、税務会計との関係、
3)国内外の会計制度の動向について、
4)中小企業の実態に即した会計のあり方、

などの項目について検討を進めていく予定としている。